2010年5月12日水曜日

「母」


,,,私には二人の「母」が居る・・・私が小説を書く時はこの文で始まろう~と高校二年の時に決めていました。なんで出だしだけを考えていたか、多分親に不満があったのかもしれませんが,17歳の多感な時期だった!とお許しください、、、折りしも先週<母の日>、偶然にも読んだ三浦綾子著「母」。プロレタリア文学の旗手・小林多喜二の母が息子を語り、それを三浦綾子が小説とした<本>です。私の学生の頃はまさに「学生運動」の盛ん(表現が正しくないかもしれない)、校内あちこちと「なんとか反対」の大きなたて看板、ヘルメット姿の学生、青森出身の同級生に「君はどのセクト?」とか聞かれ「ノンセクトよ」と答えたら「君みたいのはノンポリというんだ」と。ノンポリといわれて「オノボリ」と間違え「東京よ!」と返答してバカにしたような顔をされた記憶。そのくらい社会や政治にたいしても甘ちょろい私でした、、、小林多喜二といえば「蟹工船」、、丸暗記のような、この程度の認識しかなかった私ですが「本」は、その当時の社会を通して多喜二の生い立ち、貧困、社会運動などを母の目を通して<息子>を語るのです。全編に流れているのは<母が与える息子への愛>、、、「心優しい多喜二がなんであんな死に方なんだべ」と、、久々に感銘を受けた著書でした。

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